夏休みだけじゃない!ラジオ体操はなぜ始まった?100年近く続く国民的体操の歴史

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夏休み。

朝。

まだちょっと眠い。

首からカードをぶら下げて、近所の公園へ向かう。

そしてラジオから聞こえてくる、

「新しい朝が来た、希望の朝だ~♪」

そうです。

ラジオ体操!

子どもの頃の夏休みといえば、ラジオ体操でした。

眠い目をこすりながら公園へ行って、

体操そのものより、

終わった後にカードへハンコを押してもらうのが楽しみだった(笑)。

皆勤賞になると何かもらえたりしてね。

ところが考えてみると不思議です。

なぜ日本人は、

朝っぱらからラジオの前で一斉に体操するのでしょう?

しかも、

子どもだけではありません。

会社。

工場。

工事現場。

町内会。

スポーツイベント。

今でも日本中のいろいろな場所で、

「腕を前から上にあげて、大きく背伸びの運動から~」

とやっています。

実はラジオ体操、

夏休みの子どものために作られた体操ではありません。

そして歴史を調べてみると、もうすぐ100年。

今回は、誰でも一度はやったことがあるであろう、

ラジオ体操の歴史

について雑談してみましょう。

ラジオ体操が始まったのは昭和3年

日本でラジオ体操の放送が始まったのは、

1928年(昭和3年)11月1日。

もう100年近く前です。

当時の名称は、

「国民保健体操」

でした。

現在のように最初から「ラジオ体操」という名前だったわけではありません。

その名の通り、

国民の健康を保つための体操。

これをラジオ放送で全国へ届けようという試みでした。

昭和3年ですから、

テレビなんてありません。

インターネット?

もちろんありません(笑)。

でも、

ラジオがあった。

当時としては最先端のメディアです。

一台のラジオがあれば、全国の人が同じ音楽を聞き、

同じ時間に、

同じ運動ができる。

考えてみれば、

かなり画期的なアイデアだったんですね。

きっかけはアメリカだった!

「日本独自の文化だと思っていた!」

という人も多いかもしれません。

実は日本のラジオ体操誕生には、

アメリカの健康体操

が関係しています。

当時の逓信省簡易保険局の職員がアメリカを訪れた際、

生命保険会社がラジオ放送を利用して健康体操を普及させていることを知りました。

アメリカのメトロポリタン生命保険会社が行っていた、

ラジオを利用した健康増進事業

です。

「これは日本でもできるんじゃないか?」

となった。

そして、

逓信省簡易保険局。

文部省。

日本放送協会。

などが協力して、日本版の体操を作ることになります。

つまりラジオ体操は、

保険と健康づくり

から始まったんですね。

なぜ「簡易保険」が体操を作ったの?

ここ、ちょっと面白いところです。

普通、

体操を作ると聞けば、

「文部省かな?」

と思いますよね。

ところが中心になったのは、

逓信省簡易保険局。

現在の「かんぽ生命」につながる組織です。

なぜ保険の組織が体操を?

考えてみれば理にかなっています。

保険というのは、

人々が健康で長生きすることと深く関係しています。

そこで、

病気になってからどうするかだけではなく、

そもそも国民を健康にしよう。

毎日運動してもらおう。

ラジオなら全国へ届けられる。

こうして、

「国民保健体操」が誕生したわけです。

今で言えば、

予防医療+メディア+フィットネス。

昭和3年にこれをやっていた。

意外と先進的です。

昭和天皇の即位を記念して始まった

1928年という年にも意味があります。

この年には、

昭和天皇の即位の礼

が行われました。

ラジオ体操は、その御大典記念事業の一つとして制定されたものでもあります。

国民みんなで健康になろう。

全国で同じ体操をしよう。

当時はそんな国家的な健康事業だったんですね。

現在の、

「夏休みに公園でハンコをもらう」

というほのぼのしたイメージとは、

ずいぶん違います。

最初から全国で人気だったわけではない

ところが、

「ラジオ体操を始めました!」

と言ったところで、

みんなが突然、

朝から体操してくれるわけではありません(笑)。

そもそもラジオ放送です。

動きが見えない。

「腕を横に振って~」

と言われても、

どう動けばいいんだ?

となります。

そこで全国へ派遣された人たちが、

実際に体操を実演して普及させました。

さらに大きな役割を果たしたのが、

郵便局員。

当時の簡易保険は郵便局と深い関係がありますから、

全国津々浦々にある郵便局のネットワークを利用できた。

学校や職場、地域へ体操が広がっていきます。

ラジオという最新メディアと、

全国の郵便局というリアルなネットワーク。

この組み合わせが、

ラジオ体操を国民的運動にしていったわけです。

「ラジオ体操の会」が各地に誕生

そして1930年代になると、

各地で朝のラジオ体操に集まる人たちが増えていきます。

公園。

神社。

広場。

学校。

近所の人が集まって、

ラジオを置き、

みんなで体操する。

現在の、

夏休みのラジオ体操そのものですね。

つまり、

ラジオ体操は最初から「一人で家の中でやる運動」だったわけではありません。

ラジオをきっかけに、

地域の人が集まる文化

にもなっていったんです。

戦争が終わるとラジオ体操もいったん終了

ところが、

1945年。

日本は終戦を迎えます。

そして戦後、

それまで行われていたラジオ体操は、

いったん放送を終了します。

戦前のラジオ体操には、国民の体力向上という健康目的だけでなく、

当時の社会体制や国家的な集団運動という側面もありました。

そのため戦後は見直されることになります。

「ではラジオ体操はなくなったのか?」

というと、

そうではありません。

戦後版ラジオ体操を作ったものの……

終戦後、新しい時代に合ったラジオ体操を作ろうということになりました。

そして、

1946年(昭和21年)

新しいラジオ体操が登場します。

ところが……

あまり普及しなかった。

動きが複雑だったことなどもあり、

短期間で放送終了。

ラジオ体操にも、

一度うまくいかなかった時代

があったんですね。

そして改めて、

「誰にでもできる体操を作ろう」

ということになります。

現在のラジオ体操第1は1951年生まれ

そして、

1951年(昭和26年)5月6日。

現在の、

ラジオ体操第1

の放送が始まります。

つまり私たちが今やっているラジオ体操第1は、

戦前のものをそのまま続けているわけではありません。

戦後に新しく作られた体操

なんです。

それでもすでに70年以上。

おじいちゃんも。

お父さんも。

子どもも。

同じような動きを知っている。

これ、かなりすごいことです。

ラジオ体操第2は翌年誕生

そして翌年、

1952年(昭和27年)。

ラジオ体操第2

が制定されます。

ところで、

第1と第2。

何が違うのでしょう?

なんとなく、

「第2のほうが難しい」

というイメージありませんか?

それ、

だいたい合っています(笑)。

第1は「誰でも」、第2は「働く人」

ラジオ体操第1は、

老若男女を問わず、誰でもできる体操

として作られています。

全身をバランスよく動かす。

体を伸ばす。

曲げる。

ねじる。

跳ぶ。

非常に基本的な運動で構成されています。

一方、

ラジオ体操第2は、

職場で働く人を主な対象

として作られました。

そのため、

第1より動きが大きい。

テンポも少し速い。

筋力を使う動作も増える。

だから久しぶりに第2をやると、

「あれ?次なんだっけ?」

となる(笑)。

第1は体が覚えているのに、

第2になると急に怪しくなる人。

多いんじゃないでしょうか。

ラジオ体操第1は全部で13種類の運動

ラジオ体操第1。

何となく体が覚えていますが、

ちゃんと数えたことあります?

実は、

13種類の運動

で構成されています。

伸び。

腕を振って脚を曲げ伸ばす。

腕を回す。

胸を反らす。

体を横に曲げる。

前後に曲げる。

ねじる。

腕を上下に伸ばす。

斜め下に曲げて胸を反らす。

体を回す。

両脚で跳ぶ。

腕を振って脚を曲げ伸ばす。

深呼吸。

これを、

約3分。

たった3分です。

ところが真面目にやると、

意外と全身を使います。

大人になって本気でやると結構キツい!

これ、ぜひ一度試してほしい。

子どもの頃のように、

ダラ~ッ。

ではなく(笑)、

指先までしっかり伸ばす。

腕を大きく回す。

膝をきちんと曲げる。

体をしっかり反らす。

ジャンプもちゃんとする。

すると、

「あれ?ラジオ体操ってこんなに運動だった?」

となります。

翌日、

ちょっと体が痛かったりして(笑)。

わずか3分ほどですが、

全身をまんべんなく動かすようによく考えられているんですね。

なぜ朝6時30分なの?

そしてラジオ体操といえば、

午前6時30分。

夏休みなのに、

なぜこんなに早いんだ!

子どもの頃は思いました(笑)。

現在もNHKラジオ第1では、

朝6時30分から、

「ラジオ体操」

が放送されています。

実は朝6時30分という時間帯での放送は戦前から続く長い伝統があります。

一日の活動が始まる前。

仕事へ行く前。

学校へ行く前。

そして夏なら、

暑くなる前。

全国の人が参加しやすい時間として定着していったのでしょう。

夏休みの子どもにとっては、

「もうちょっと寝かせてくれ!」

なんですけどね(笑)。

「新しい朝が来た♪」はラジオ体操の歌

そしてラジオ体操と聞くと、

頭の中に流れてくる、

「新しい朝が来た、希望の朝だ」

という歌。

曲名はそのまま、

「ラジオ体操の歌」。

現在歌われているものは、

作詞・藤浦洸。

作曲・藤山一郎。

1956年(昭和31年)に発表されたものです。

作曲した藤山一郎さん自身が歌っています。

これもすごいですよね。

70年近く経っても、

最初の数秒を聞いただけで、

「あ、ラジオ体操だ!」

と分かる。

ある意味、

日本で最も有名な朝のテーマソング

かもしれません。

夏休みのラジオ体操はいつから?

では、

子どもたちが夏休みに集まってラジオ体操をする文化は、

いつ始まったのでしょう。

ラジオ体操が全国へ普及すると、

地域の「ラジオ体操の会」が各地に作られました。

そして学校や地域団体、子ども会などが、

夏休みの生活習慣づくりとして取り入れるようになります。

早寝早起き。

朝から体を動かす。

地域の子どもたちが顔を合わせる。

夏休みでも生活リズムを崩さない。

これには、

ラジオ体操が実に都合がよかった。

だから、

「夏休み=ラジオ体操」

という文化が定着していったんですね。

あの「出席カード」はいつから?

そして子どもにとって重要なのが、

ラジオ体操出席カード。

体操そのものより、

ハンコです(笑)。

ペタン!

「よし、今日も一個増えた!」

最終日まで全部埋まると、

妙な達成感がありました。

参加を記録するカードは、ラジオ体操の普及活動の中で長く使われてきました。

現在もかんぽ生命では、

夏休みのラジオ体操用に、

ラジオ体操出席カード

を配布しています。

時代は令和。

スマホ。

SNS。

AI。

それでも、

紙のカードにハンコ(笑)。

私はこれでいいと思います。

最終日のお菓子が目的だった人、正直に手を挙げてください

そして地域によっては、

最終日に、

お菓子。

ジュース。

文房具。

などをもらえました。

もう後半になると、

健康のためなのか、

景品のためなのか、

分からない(笑)。

でも、それでいいんですよ。

朝起きる。

着替える。

外へ出る。

友達に会う。

体を動かす。

生活リズムができる。

お菓子目的でも、

結果として健康的です(笑)。

ラジオ体操は夏だけではありません

ここが今回のタイトルです。

ラジオ体操というと、

どうしても、

夏休み限定イベント

というイメージがあります。

でも本来は、

一年中やる体操。

NHKでは基本的に一年を通して放送されています。

全国には、

毎朝公園などへ集まってラジオ体操をする人たちもいます。

雨の日以外、

ほぼ毎日。

夏も。

冬も。

春も。

秋も。

朝6時30分。

これが本来のラジオ体操なんですね。

会社で朝からラジオ体操する理由

会社や工場で、

始業前にラジオ体操。

これも日本ではよく見る光景です。

特に、

製造業。

建設業。

物流。

工場。

体を使う仕事では、

作業前に体を動かす意味があります。

いきなり重いものを持つより、

肩。

腰。

脚。

腕。

を動かしておく。

さらに、

「これから仕事を始めるぞ」

というスイッチにもなる。

だからラジオ体操第2は、

もともと働く人を意識して作られているんですね。

実はラジオ体操には「第3」もあった!

ここで雑学。

ラジオ体操には、

第1。

第2。

そして……

第3もありました!

「えっ?第3なんて聞いたことない!」

ですよね。

戦後の1946年に作られたラジオ体操には、

第1・第2だけでなく、

第3

まで存在しました。

ただし先ほど書いたように、

この戦後初期版のラジオ体操自体が短期間で終了。

現在のラジオ体操へ作り直された際、

第3は復活しませんでした。

そのため、

幻のラジオ体操第3

となったわけです。

最近では当時の資料をもとに復刻する活動もあります。

「第1、第2じゃ物足りない!」

という方は探してみると面白いかもしれません。

「みんなの体操」もある

さらに、

みんなの体操

というものもあります。

これは1999年に制定された体操。

高齢者や体力に自信のない人なども取り組みやすいよう、

立って行うだけでなく、

椅子に座った状態でもできる

ように考えられています。

つまり日本の「放送を使ってみんなで健康体操」という文化は、

昭和3年からずっと進化しているんですね。

ラジオ体操って海外にもあるの?

日本のラジオ体操は、

海外から見るとかなり珍しい文化として紹介されることがあります。

朝になると、

公園へ人が集まる。

音楽が流れる。

知らない人同士も一緒に体操する。

会社でも社員が一緒にやる。

日本人には普通ですが、

海外の人からすると、

「なんで全国民が同じ体操を知っているんだ?」

となる(笑)。

確かに。

北海道の人も。

東京の人も。

大阪の人も。

沖縄の人も。

音楽を流せば、

だいたい同じ動きができる。

こんな運動、

なかなかありません。

約3分の体操が100年近く続くって、すごくない?

1928年に始まったラジオ体操。

戦争があった。

終戦で一度なくなった。

新しい体操を作ったらうまくいかなかった。

そして1951年、

現在のラジオ体操第1が誕生。

翌年には第2。

テレビが普及した。

カラーテレビになった。

ビデオが登場した。

インターネットが登場した。

YouTubeが登場した。

スマートフォンが登場した。

それでも、

朝6時30分になるとラジオ体操。

強い(笑)。

音楽が流れると体が勝手に動く

これがラジオ体操の一番すごいところかもしれません。

何十年もやっていなくても、

あのピアノが流れる。

すると、

体が勝手に動く。

「次は腕を回すんだよな」

「あ、ここで横に曲げる」

「次はジャンプ」

覚えているんですよ。

頭ではなく、

体が覚えている。

子どもの頃に何度も繰り返した動きというのは、

恐ろしいものです(笑)。

ラジオ体操は「日本人共通の記憶」なのかもしれない

今回調べてみて思ったのですが、

ラジオ体操って、

単なる健康体操ではないんですね。

昭和3年。

ラジオという新しいメディア。

国民の健康づくり。

戦争。

終戦。

戦後復興。

学校。

会社。

工場。

町内会。

そして、

夏休みの子どもたち。

日本の約100年の歴史と一緒に、

ずっと続いてきた体操です。

そして世代が違っても、

「あの音楽」

を聞けば分かる。

50代でも。

30代でも。

小学生でも。

一緒にできる。

これは結構すごい文化です。

夏休みじゃなくても、明日の朝やってみますか?

というわけで、

ラジオ体操。

始まったのは、

1928年(昭和3年)。

もともとは夏休みの子どものためではなく、

国民の健康づくりを目的とした「国民保健体操」

でした。

そのアイデアのヒントはアメリカ。

ラジオという当時最新のメディアを使い、

全国で同じ時間に、

同じ体操をする。

戦後に一度作り直され、

現在のラジオ体操第1が誕生したのは、

1951年。

第2は、

1952年。

そして今でも、

朝6時30分になると、

ラジオからあの音楽が流れます。

子どもの頃は、

「なんで夏休みなのにこんな朝早く起きなきゃいけないんだ!」

と思っていました。

でも50代になって考えてみると……

朝6時30分に起きて、

外の空気を吸って、

3分間体を動かす。

これ、かなりいい習慣だったんじゃないでしょうか(笑)。

問題は、

今やったらちゃんと最後までできるのか?

ということ。

おそらく第1なら、

音楽が流れれば体が思い出す。

でも第2になると……

かなり怪しい(笑)。

久しぶりに、

明日の朝、

ラジオ体操でもやってみましょうか。

ただし、

子どもの頃と違って、

終わっても誰もハンコは押してくれません(笑)。

ありがとう、また別の記事で。

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